院長挨拶

ご挨拶

 21世紀に入っても科学技術は進歩を続け、医学の分野では、眼科でiPS細胞の1例目となる臨床応用が行われ、血液内科で人工知能のワトソンが専門家よりも優れた治療法を提案して白血病治癒に貢献する等華々しいトピックスがありました。物質的には豊かな状態が維持されていますが、反面、地球温暖化という形で表れつつある急激な気候変動が原因なのか、本来熱帯地方にしか棲息しなかった毒性のあるアリやクモが日本で見られて新たな脅威となったり、ストレスの多い職住環境は、免疫システムや自律神経系の乱れを生じ易く、心身の状態を健全に保つことはかえって困難になってきているように思われます。日常診療で要望の多いかぜが早く治る薬やここ一番で元気の出る薬、腎臓内科では、慢性糸球体腎炎や慢性腎不全を治癒させる100%有効と言えるほど決定的な薬は、残念ながらまだ開発されておらず、専門家でさえ意見が分かれる難しい問題もたくさんあって、個別の疾患で最適な治療をすることの困難さは依然として残っています。当院では治療に際し、患者様の疾患情報はすべてご本人に開示し、情報を共有したうえで対話を重視して進めていきたいと考えております。


プロフィール

[名前]
白川 喜一
[略歴]
 私は、京都大学大学院医学研究科循環病態学講座で、おもに腎臓病の根底にある免疫システムのバランス異常、活性酸素等の酸化ストレスが腎臓に与える影響について研究しました。その後、7年間大津赤十字病院で、腎臓病と関連疾患の診療に従事し、2007年、生まれ故郷の京都市中京区で内科医院を開業しました。時代の要請になりつつある、かかりつけ医、としての対応能力向上を目指して今後も研鑽を積んで行く所存です。